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山梨 彦いち師匠が子供を指導 子供たちのコミュニケーション力を育てようと、山梨県笛吹市は落語家の林家彦いちさん(39)を講師に招き、子供落語教室に取り組む。3年目を迎え、成果を見せ始めている。 「ちゃんと正座して。途中で間違っても笑ったり慌てたりしたらだめだよ」と小話の練習をする新入りに指導するのは、兄弟子の「ちび柿家(がきや)マンゴリラ」こと林雅也君(小学5年)だ。 笛吹市スコレーセンターで毎年4〜8月、月2、3回のペースで開かれる落語教室「こどもらくご会」には地元を中心に39人の小中学生が集まる。一対一でけいこをつける彦いち師匠が到着するまでは、先輩の子供が後輩を教える。 彦いちさんは「落語界には一門制度という、よくできた教育制度がある。考えながら教えることで先輩弟子も成長する。私もそうやって育てられてきた」。林君も「最初は自分もしゃべれなかった」と打ち明ける。 市から委託を受けて教室を運営する地元の演芸プロデューサー、馬場憲一さん(51)は、「子供の言語が貧しくなっている。落語を通じて自分の言葉で語れるようになってほしい」と企画の意図を語る。正座して自分の名前を言ったり、一日の出来事を語ったりすることから始め、女優から発声法も教わった。 基礎を学んだ後は、夏休みの終わりに開かれる発表会の練習。彦いちさんが各人と古典を基にテキストを練り、声の強弱や表情を細かく指導する。その際、子供の話にじっくりと耳を傾け、その子の言葉が出てくるのを待つよう心がけた。 先月24日に開かれた今年の発表会。「時うどん」を披露した林君のうどんをすするしぐさに拍手がわき、柳家小三治のCDを聞いて練習したという「でらうえ家ちびまろ」こと土屋直人君(小学5年)の「金明竹(きんめいちく)」の滑らかな語りに会場は静まりかえった。39人の表情豊かな落語を満場の客が楽しんだ。 彦いちさんは「しゃべるのが苦手なのは、聞くことができなくて理解力が育ってないから。3年で子供たちは随分話が聞けるようになった。『そんな真剣に見ないで』と思うくらい」と笑った。 |
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